2023年の読書メーター読んだ本の数:109
読んだページ数:37026
ナイス数:870
セイレーンの懺悔 (小学館文庫)の
感想「護られなかった者たちへ」等と同様最後に主人公を通して熱いメッセージが語られる。
我々が感じる社会の理不尽さに対する一つの答えを示している。
たとえファンタジーだとしても同じ思いの人がいるというだけで希望が持てる。
読了日:01月01日
著者:
中山 七里モモ (岩波少年文庫(127))の
感想そうか、忙しくてイライラしていたのは灰色の男のせいだったのか。
じゃあ、人に優しくするために時間を使えばいいんだ!
ところで灰色の女がいないのはなぜ?
読了日:01月04日 著者:
ミヒャエル・エンデあなたの人生の物語の
感想SF短編小説集。 自分にとっては難しい内容だった。
新しい視点に驚きはあったものの、話の展開に面白みがなかったし、結局何が言いたいのかも見いだせなかった。
一気には読むことができず、時々別の小説をはさみながら何とか読み通せた。
読了日:01月08日
著者:
テッド チャン夏への扉〔新版〕 (ハヤカワ文庫SF)の
感想1956年に発表されたSF作品。 主人公は1970年と2001年の間を時間旅行する。
古いSFなんてと思うかもしれないが、2023年に読んでも色褪せず、心揺さぶられる話だった。
その証拠に、巻末で知ったが、2021年に日本で映画化もされたらしい。
苦難にあっても決して諦めず知恵で思いを遂げる話はいつの時代でも受け容れられるのだろう。
読了日:01月10日
著者:
ロバート A ハインライン死刑にいたる病 (ハヤカワ文庫JA)の
感想読んでいるうちにこの人はよい人ではないのか、本当は同情すべき人ではないのかと思ってしまった。
この世の中には殺人鬼でなくても、巧妙に近づき人を支配するのを得意とする奴らがいる。
そんな奴らからは離れるしかない。
読了日:01月14日 著者:
櫛木 理宇若きウェルテルの悩み (岩波文庫)の
感想程度の差こそあれ、誰にでも抑えきれない激情の迸る時代があったのではないだろうか?
恥を忍んで生き続けていればそれは黒歴史。
若さゆえの視野の狭さに自分を殴りたくなる。
そんな恥ずかしいことを赤裸々に描けるなんてゲーテはすごい。
読了日:01月18日
著者:
ゲーテ世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)新装版 (新潮文庫)の
感想初めの頃はワンダーランド過ぎて話に乗れなかった。
次第にこの世界に慣れてきたようだ。
2つの世界がどのようにつながっているのかが下巻の楽しみ。
ちなみに登場人物は名前で呼ばれない。
それでも人物の識別ができるから不思議である。
読了日:01月26日 著者:
村上 春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)新装版 (新潮文庫)の
感想安らぎの棲処はこころ。
博士の説明は出鱈目だが、それらしく思わせるのは作家の力量。
読了日:01月29日
著者:
村上 春樹変な家の
感想さらっと読めたが、あまり好きな話ではなかった。
過去の出来事を証明していくような展開はつまらない。
読了日:01月29日
著者:
雨穴悪いものが、来ませんように (角川文庫)の
感想遺体が発見されるあたりまで読むのが息苦しかった。
人間関係にも違和感を覚えたが、徐々に謎が解けてきた。
不幸な結末ではあるが、奈津子が真に毒親の呪縛から解放され、健全な親子関係を築けたことが救いだった。
読了日:02月01日
著者:
芦沢 央予断捜査 (文芸社文庫)の
感想正義と真実を追求する職人気質の刑事が地道な捜査で証拠を積み上げ、出世欲に駆られたチョウチョウ刑事がその引き立て役になるストーリーは痛快。
校正が甘いのか、人物名を間違っている箇所と脱字を見つけてしまった。
読了日:02月05日
著者:
麻野 涼ザ・レイン・ストーリーズの
感想読むのを躊躇った。 変な感想は書けないし、媚びるのも嫌だ。 ep1
を読んでつまらなかったら読まなかったことにしよう。 ep1
が読み終わり、ep2、3、・・・12、そして、ep0。
雨上がりのちょっとした解放感を味わった。
読了日:02月07日 著者:
間埜 心響硝子の塔の殺人の
感想幾重にも重ねたトリックとストーリー展開。 何も言えないのが辛い。
結末は読んでからのお楽しみ。
読了日:02月09日 著者:
知念 実希人ネメシスの使者 (文春文庫)の
感想愛する人が殺されたら? 家族が人を殺したら?
きっと地獄の苦しみを味わうのだろう。 第三者から何も言われたくないはずだ。
苦しんでいる人をさらに苦しめる必要はない。 それこそネメシスに任せればよい。
期待を裏切らないストーリー展開だった。
読了日:02月18日 著者:
中山 七里medium 霊媒探偵城塚翡翠 (講談社文庫)の
感想最後は主人公の圧勝。 凶悪犯にしては呆気ない幕切れ。
犯人はもう少し強敵であってもよかったのでは?
犯人の言行不一致な点もいただけない。 明らかに目立ち過ぎ。
読了日:02月20日
著者:
相沢 沙呼ダイイング・アイ (光文社文庫)の
感想そもそもピアノレッスンを受けていた娘とその母親が悪い。
彼女たちがわがままを言ったばかりに何人もの生命を奪い人生を狂わせたのだからその罪は重い。
なのに不幸な物語は彼女たちとは関係なしに展開していく。
初めから終わりまで弛むことなく同じ緊張感で読めた。
説明がつかないままだったものの不快な結末ではなかった。
読了日:02月23日
著者:
東野 圭吾蟻の棲み家 (新潮文庫)の
感想真っ当に生きたい。 なのに人並みに生きる権利もない。
家族を守るために獲得したサバイバルスキル。 生き抜くためには恩も仇で返す。
温々と生きてきた奴らに俺の世界などわかるはずもない。
読了日:03月09日
著者:
望月 諒子残酷依存症 (幻冬舎文庫)の
感想身勝手で卑劣、人の痛みや悲しみを屁とも思わぬ人でなしたち。
被害者たちの無念を思い知らせるためにも去勢して生かしておけばよかったのに。
性犯罪を犯す奴らはみんな切り落としてしまえばいい。
こっちが残酷な気持ちになってしまった。
読了日:03月17日 著者:
櫛木 理宇星を継ぐもの (創元SF文庫) (創元推理文庫 663ー1)の
感想確信が持てるまでどの説にも与しない。
あらゆる可能性を検討し事実を集める。 真実のためなら嫌な奴とも議論を交わす。
絵空事と思わせない精巧に組み立てられたSFミステリー。
読了日:03月17日
著者:
ジェイムズ P.ホーガンアマテラスの暗号 〈歴史ミステリー小説〉の
感想写真や図版等の資料が多く掲載され、知的好奇心を大いに刺激してくれた。
以前から日ユ同祖論には興味があったが、理路整然とした話を読んだのはこの作品が初めて。
エンタメとしても楽しめたが、その奥に秘められた作者の日本人への思いが十分に感じられた。
読了日:03月21日
著者:
伊勢谷 武再生 角川ホラー文庫ベストセレクションの
感想結末を想像しながら読んだせいなのか、いずれも怖くなかった。
気に入った作品は澤村伊智の「学校は死の匂い」。
学校では幽霊よりも生きている人間の方が怖い。
読了日:04月05日 著者:
綾辻 行人,鈴木 光司,井上 雅彦,福澤 徹三,今邑 彩,岩井 志麻子,小池
真理子,澤村伊智すべてがFになる (講談社文庫)の
感想F
の意味はすぐにわかった。 もちろん動機とかトリックまではわからなかったけれど。
ところどころでニヤリとしてしまう言葉が・・・。
そのやり方はデバッグの王道だねなど、ツッコミを入れながら楽しめた。
読了日:04月08日
著者:
森 博嗣さいはての彼女 (角川文庫)の
感想計算通りにならないのが人生。 失意に打ち拉がれることもある。
それを癒やしてくれるのが新たな出会い。
自分で引いた線を乗り越えて風を起こせば一分の出会いが一生の宝になる。
読了日:04月09日
著者:
原田 マハぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)の
感想章が変わるごとに主役が変わる。 でも真の主役はあの姉妹。
目まぐるしく展開する物語に目が離せなかった。
育児をしている男性にすすめたい。
読了日:04月11日 著者:
澤村伊智ししりばの家 (角川ホラー文庫)の
感想家族の理想像を守護するために住む者たちを操る。
決して住む者を守っているわけではない。 古めかしい家制度を想起させる。
我々も何かにこだわって誰かを苦しめているようなことはないだろうか?
この作品も読み応えがあった。
読了日:04月14日 著者:
澤村伊智ずうのめ人形 (角川ホラー文庫)の
感想登場人物に小説を読ませる。 「人間椅子」でも使われた手法。
「学校は死の匂い」にあった学校名に記憶が蘇る。
数え切れない伏線でいちいちアッと思わせる。
終盤にサラッと書かれていたが頭の中で大惨事が・・・。
中だるみはあったが読み切ったときの満足感はこの上ない。
読了日:04月16日
著者:
澤村伊智楽園のカンヴァス (新潮文庫)の
感想芸術家の情熱は作品の中で永遠に生き続ける。
純粋にその作品を愛する者にしか感じられない情熱。
この小説にも同じような情熱を感じた。
読了日:04月23日 著者:
原田 マハキラーシード“魔の種” (徳間文庫)の
感想愚直に正直に生きていく者たちが利己主義者たちの悪事を暴いていく安心の娯楽作品。
「テメーが医者ならチョウチョ、トンボも鳥のうちだ」という台詞は、同作者の「予断捜査」にもあった。
刑事が医者に変わっていただけ。
読了日:04月27日 著者:
麻野涼夏美のホタル (角川文庫)の
感想犯罪がらみの小説ばかりを読んでいるとこういう小説で心を清めたくなる。
ついでに涙腺のゴミもきれいに洗い流せた。
「他人と比べちゃうとさ、自分に足りないものばかりに目がいっちゃって、満ち足りているもののことを忘れちゃうんだってさ。」
読了日:04月30日
著者:
森沢 明夫空席 隠蔽捜査シリーズ (Kindle Single)の
感想短いので最後まで読み切ったがそれなりの内容。
地位を傘に着て偉そうな顔をしたいがために現場を混乱させる管理官と二律背反することであっても冷静に判断し適切な指示を与えてくれる元署長。
前者は軽蔑され後者は尊敬される。 そして出世するのは前者。
どこの組織にでもある構図。
読了日:05月01日 著者:
今野 敏地球星人(新潮文庫)の
感想懐かしいお盆の風景から始まり、想像もつかない結末に。
毒親から虐げられ生き延びるために人の顔色を伺う。
人と違えば常識がないと責められる。
自分のために生きることの難しさを改めて考えさせられた。
それにしても塾講師には虫唾が走る。
読了日:05月02日 著者:
村田沙耶香いつか、虹の向こうへ (角川文庫)の
感想深酒と深情け。 それらが災厄を招くことに。
だが「情けは人のためならず」を体現する。 他人には優しくしておくものだ。
読了日:05月04日
著者:
伊岡 瞬群青の魚 条川署クロニクル (光文社文庫)の
感想介護問題や特殊詐欺等高齢化社会の問題がテーマ。
とにかくハラハラドキドキの連続。
新米刑事と新米警官の浅はかな行動にはいたたまれない気持ちになった。
老い先が見えても志を忘れなければ道を外れるようなことはない。
読了日:05月08日
著者:
福澤 徹三アノニム (角川文庫)の
感想自分のような庶民では知り得ない美術品オークションの世界。
学生たちが自由を守り世界を変えようとする香港。 この作品が誘ってくれた。
本来の目的だけでなく、ひとりの少年に希望と勇気を与えながらも、1ミリのミスもない完璧な仕事をこなす最高のチーム。
なのにスリリングだったのは、自分の気の小ささではなく、作家の力量によるものだ。
読了日:05月14日
著者:
原田 マハテミスの剣 (文春文庫)の
感想冤罪の片棒を担いでしまった刑事。 その罪を認め真正面に向き合う。
そして二度と間違わないと誓う。 パンドラの箱を開け苦難の道を往くことに。
自ら正義の希望になれるのだろうか?
読了日:05月20日 著者:
中山七里結界(上)の
感想感想は下巻を読んでから。 早く下巻を読みたい。
読了日:05月25日
著者:
津谷 一結界(下)の
感想下巻はいきなり緊迫した場面から始まった。
だが興奮は覚めモヤモヤ感が残る結果に。
陰謀論が好きな人にとっては面白い作品だろう。
読了日:05月26日 著者:
津谷 一#雨降る惑星の
感想心の中は土砂降りでも優しさという傘があれば人は生きていける。
再び訪れることのない夏を共に過ごした三人は永遠の愛を手に入れた。
14歳の時にこんな体験をしていたら、また違ったいい人生が楽しめただろうな。
タイムマシンがあったらバッハを現代に連れてきてメタルを聴かせてやりたい。
読了日:05月28日
著者:
森 遊ギフトの
感想女性が幸せを感じる瞬間の詰め合わせ。
超がつくほどの短編集だが、十分に読みごたえがあった。
お気に入りは「窓辺の風景」。
読了日:05月30日 著者:
原田マハ新版 ハマトンの知的生活 (単行本)の
感想ハマトンの知的生活 一世紀以上も前に書かれた知的生活に関する本。
目新しいことは書かれていない。
多分、この本を参考にしながらも、脳科学等の研究成果を取り入れた本が世に多数出ており、それらを読んだからだろう。
それでも点頭を繰り返しながら読んだ。
読了日:05月31日 著者:
P.G.ハマトン勝てる投資家は、「これ」しかやらない
MBA保有の脳科学者が教える科学的に正しい株式投資術の
感想とてもわかりやすく、実行しやすい内容。
売買ノートやしくじりメモは難しそうだが、やってみる価値はあると思う。
読了日:06月02日
著者:
上岡 正明正欲の
感想人は人、自分は自分。 人はそれぞれ違っていて当然。
分かりあえなくて当然。
自分を軸にするのは賛成だけど、それを他人に押し付けないで。
それぞれを尊重して。
読了日:06月06日 著者:
朝井リョウ新世界より(上) (講談社文庫)の
感想回想録の形式で話が始まる。
牧歌的な雰囲気から徐々に不穏な空気が流れ出す。
若者特有の好奇心が災厄を招くことに。 不安を煽ったまま中巻につづく。
何故か、ハリーポッター、猿の惑星、戦国自衛隊の話を思い出してしまった。
読了日:06月11日
著者:
貴志祐介新世界より(中) (講談社文庫)の
感想一難去ってまた一難。 たまに休憩を取らないと息苦しくなる。
本当に大人ってやつは・・・。 こんな感想を書いている場合ではない。
早く下巻が読みたい。
読了日:06月13日 著者:
貴志祐介新世界より(下) (講談社文庫)の
感想最後まで緊張が解けなかった。 正義は人の数、生物の数だけある。
正義を他者に押し付けるから軋轢が生まれる。 他者を支配するから憎悪が生まれる。
個人を尊重する人が増え、寛容な社会になれば、平和に暮らせるのに。
望むべくもないか。
読了日:06月16日 著者:
貴志祐介デトロイト美術館の奇跡(新潮文庫)の
感想裕福でなくてもアートと友だちになれる。 友だちの友だちは友だち。
立場を超えた友だちへの思いが起こす奇跡。 愛する者への熱い気持ちが涙を誘った。
今度久しぶりに友だちのお家を訪問してみようかな?
読了日:06月18日
著者:
原田マハCの福音 (角川文庫)の
感想肩入れしたい人間が一人もいない。
制度面、心理面の脆弱性を突いた完全犯罪。
欲望に溺れ、隙を見せた人間が堕ちていく。 それを仕掛けた人間があざ笑う。
絶対に近づきたくない世界。 ニフティサーブでパソコン通信していた遠い昔の話。
読了日:06月22日
著者:
楡 周平教場 (小学館文庫)の
感想街で警察官を見かけると畏敬の念を抱く。 臆病者の自分では到底務まらない。
警察官に相応しい者を残す。 残った者を警察官に育て上げる。
教場での厳しいルールと特殊な教育課程。
それらは志願者たちを守るためにも必要なこと。 畏敬の念はさら深まった。
読了日:06月24日
著者:
長岡弘樹442 Hzの
感想6月25日、今日の言葉。
欲望はささやかな幸せを暗闇に追いやり、やがて消し去る。
生き物は生まれたときに声をあげ、生きる苦しみが始まる。
他者との関係を持つことによって喜びも苦しみも増幅する。
音叉を叩いて調弦していたがあの声と同じだったとは。
読了日:06月25日
著者:
森遊透明カメレオン (角川文庫)の
感想人は嘘の絆創膏で心の傷を隠している。
見えないものをあると信じて生きている。 姿は大人でも心は中2。
「はい、では曲いきます。ドラゴンフォースで『Wings of liberty』」
読了日:06月30日
著者:
道尾 秀介満願(新潮文庫)の
感想何かを守るために人は企む。
その企みはうまくいくことがあれば、失敗に終わることもある。
成功も失敗もそのプロセスの巧妙さに唸ってしまう短編集。
読了日:07月04日
著者:
米澤穂信月の満ち欠けの
感想最愛の人と再会するまで何度でも生まれ変わる。 あるかも知れない。
ないとは言えない。 信じていれば気づくかも知れない。
信じなければ永遠に気づかない。 なら信じよう。 それ以上失うものはない。
紅月でも聴こうか。
読了日:07月10日 著者:
佐藤 正午クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)の
感想謎は残ったけれど最後までスリルに溢れた作品。
「サバイバルアイテム」「護身用アイテム」「食糧」「情報」、生き残るために一つだけ選べるとしたら・・・。
「授人以魚 不如授人以漁」(老子)を思い出した。
読了日:07月15日 著者:
貴志 祐介翼をください 上 (角川文庫)の
感想「民族の違い、国家の違い、個人の違いはどうしたってある。それを認めて、受け入れること。それが共存共栄への第一歩だ」
「国威だ国益だと権力者が勝手に始めて、罪のない人々のささやかな幸せをいつのまにか奪いつくす。そうしてはならない。絶対に。」
下巻へ
読了日:07月17日 著者:
原田 マハ翼をください (下) (角川文庫)の
感想「世界はひとつ」
この作品ではニッポン世界一周飛行を日本人だけの偉業としなかった。
これを不満に思う人がいるかも知れない。
それでもこの設定は「世界はひとつ」を具現するために必要だった。
大空を飛びたい。
肌の色は違うけれど同じ思いをもつ者たちが互いに認め、助け合いながら苦難を乗り越えていく。
日本人だけで偉業を成し遂げるべきという安っぽい考えはとっくにどこかへ飛んでいった。
この広い空のようにおおらかなこころを持ちたい。
読了日:07月19日 著者:
原田 マハ向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)の
感想終盤クライマックスで最後に放った両親への質問。
これが作品名の由来だったのか。 ネタバレになるので理由は言えないけれど。
読後プロローグを読み返したら描いたイメージが全く違っていた。
読了日:07月22日
著者:
道尾 秀介暗幕のゲルニカ (新潮文庫)の
感想ピカソが描いた平和への思いとそれを継ぐ者たちの物語。
不思議な縁と不屈の精神で私たちの「ゲルニカ」が本領を発揮できる場所に。
小さな写真で見るのと、縦約350cm ✕ 横約780cm
の本物を観るのとでは、受ける印象が大きく違うのだろう。
いつか本物をこの目で観たい。
読了日:07月29日 著者:
原田 マハ屋上のテロリスト (光文社文庫)の
感想2つの国家を手玉に取るJK。 その深慮遠謀に翻弄される為政者たち。
痛快だった。 回収の前にわかってしまう伏線もあったが、それも含めて楽しめた。
読了日:08月01日
著者:
知念 実希人産霊山(むすびのやま)秘録 (ノン・ポシェット)の
感想「産霊山」と「ヒ」をモチーフに戦国時代から現代までの歴史を解く推理小説。
明智光秀、猿飛、佐助、鼠小僧次郎吉、坂本龍馬、近藤勇、沖田総司らが登場。
本能寺の変については得心。 歴史は証明のしようがない。
推理が面白ければよい。
読了日:08月07日 著者:
半村 良ゴールデンスランバー (新潮文庫)の
感想目的を果たすまで手段を選ばぬ権力者。
ターゲットになってしまった善良な市民。 真実の声なんて届くはずもない。
取るべき道はたったひとつ。 伏線がいっぱい。 面倒なので数えなかったけれど。
ロックなオヤジたちが格好よかった。 締めのストーリーもロックだね。
読了日:08月11日
著者:
伊坂 幸太郎火のないところに煙は (新潮文庫)の
感想ミステリー色の強いホラー。 恐怖を感じさせるための仕掛けが幾重にも。
それでも冷めた目で読むせいなのか、あまり恐怖を感じなかった。
意思疎通ができないというのはすごく苛立つ。
読了日:08月13日 著者:
芦沢 央常設展示室 (新潮文庫)の
感想ハレとケ。 常設展示室はケ。 いつでもそこに行けば会える一品。
大切な何かを気づかせてくれる。 六つの短編集。
最後の物語では不覚にも涙をこぼしてしまった。
読了日:08月15日 著者:
原田 マハひらいて (新潮文庫)の
感想たとえ大学受験を控えた一年が、どんな誤りを犯していても、この一生の驚くべき現実に比べれば、二ヶ月のすばらしい旅行の最後の一日に風邪をひいているようなものである。
冒頭に出てくる仮装行列。 自分の出身高校にもあった。
調べてみたら著者もムラコウ。 感情と思考、言動がチグハグだった時代が蘇った。
読了日:08月17日
著者:
綿矢 りさ傭兵代理店 (祥伝社文庫)の
感想罠にはめられた元刑事は真犯人を追って傭兵になり巨悪を追い詰める。
表向きは質屋、裏の稼業は傭兵代理店。 この傭兵代理店にはもう一つの顔があった。
テンポよく展開するストーリー。 圧倒的な強さに裏付けられた安心感。
楽しみながら一気に読んだ。
読了日:08月18日 著者:
渡辺 裕之マチネの終わりに (文春文庫)の
感想ラストシーンが美しすぎて胸が熱くなった。
この二人なら過去を変えながら現在を変えないままでいられるだろう。
豊かな表現と繊細な心理描写を味わいながら読んだ。
自分の中ではこの作品は純文学の範疇にある。
純文学は苦手だが、ギターとバッハが好きだから読み通せたような気がする。
途中まで辛かったが、最後まで読んでよかった。
読了日:08月21日 著者:
平野 啓一郎異邦人(いりびと) (PHP文芸文庫)の
感想読み始めはどの人物にも好感がもてなかった。
次第に気持ちが二人のいりびとに傾き始める。 見事で仄かな復讐劇。
京都の美しい景色、町並み、お祭り、料理、言葉、何もかも懐かしかった。
作者の豊かな表現力が心地よかった。
読了日:08月26日 著者:
原田 マハ乃木希典と日露戦争の真実 司馬遼太郎の誤りを正す (PHP新書)の
感想司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」とは異なる乃木希典像と日露戦争観。
職業軍人の観点で分析されているので、想像を膨らませた小説よりは多分真実に近いのだろう。
ただ司馬遼太郎を罵倒する表現は酷かった。
乃木希典を擁護するあまりバイアスがかかっているのではないかと疑ってしまう。
巻末に乃木神社宮司の寄稿文があり、それも何らかの意図を感じた。
史料は残した者にとって都合のよいものしか残らない。
歴史は推測に過ぎないし時代によって解釈は移り変わる。
何事も鵜呑みにせず何者にも肩入れしないで生きていこうと思った。
読了日:08月30日
著者:
桑原 嶽幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF 341)の
感想科学技術では人類を遥かに凌ぐオーバーロード。
彼らの地球来訪により人類の世界は統一され永劫の平和を迎える。
だが、彼らの来訪の目的は別にあった。
オーバーロードの目的を推理しながら読んだが、思わぬ展開と結末に心が騒いだ。
古いSFだが、まったく色褪せない作品だった。
読了日:09月05日 著者:
アーサー C.クラークシャドウ (創元推理文庫)の
感想「えっ?」の連続。 そして「疑ってごめんなさい」に。
本当に悪い奴は直感的にわかったけれど。 伏線回収も見事だった。
最後は幸せな気分に。
読了日:09月07日 著者:
道尾 秀介無限大ガール (Kindle Single)の
感想日替わりハケン部員として活動する女子高校生の成長を軽妙なタッチで描いた物語。
短い作品ながらも読後感はとても爽快。 自分を捨てれば可能性は無限大。
読了日:09月08日
著者:
森 絵都モナリザ・オーヴァドライヴ (ハヤカワ文庫SF)の
感想時間はかかったが、何とか読み通せた。
黒丸尚という有名なSF作品の翻訳家の翻訳。 理解できたのは8割くらい。
自分の読解力の問題もあるだろう。 話の筋はよかった。
いまはリアルの世界でもフェイクが多い時代。
VR技術が進んで現実との境目がなくなれば、人間は現実離れした幸福感を求めて生きていくのだろうな。
ドラッグだっていらなくなるに違いない。
読了日:09月14日 著者:
ウィリアム ギブスン数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち (新潮文庫)の
感想数学や物理学等の学位を持った脚本家たちが米娯楽番組の「ザ・シンプソンズ」でわかる人(ナードやギーク)にしかわからないジョークを密かに潜ませているという。
その裏話から派生する数学のエピソードがてんこ盛り。
学者さん特有の無邪気な自慢話を少しだけ我慢すれば、知的好奇心が結構満たされる。
サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」が好きな人ならきっと気に入るだろう。
読了日:09月19日
著者:
サイモン・シンカラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)の
感想気持ちよく騙された。 騙してくれてありがとうという気分。
終盤まで物足りなさを感じていたが、こんなどんでん返しがあったとは。
期待を裏切らない作品だった。
読了日:09月23日 著者:
道尾 秀介カエルの小指 a murder of crows (講談社文庫)の
感想カエルの小指ってそういうことだったのか。 ペテンで他人の人生を救う。
それで自分の人生も救われる。 「カラスの親指」同様、幸せな気分で本を閉じた。
読了日:09月27日
著者:
道尾 秀介星のかけら (新潮文庫)の
感想思い悩んで動けなくなった者を照らす星のかけら。
自分の力で歩いていく勇気を出した者だけに見える輝き。
いじめられていた中学時代を思い出した。
ちょっと勇気を出しただけで世界が変わる。 生きるってすごい。
読了日:09月28日
著者:
重松 清その話を聞かせてはいけない (Kindle Single)の
感想この作品はホラーなのか? 結末は現実とも取れるし、妄想とも取れる。
短編にしてはキレは甘かった。
読了日:09月29日 著者:
道尾 秀介きみが来た場所 Where are you from? Where are you going? (喜多川
泰シリーズ)の
感想「世にも奇妙な物語」でたまにハッピーな物語として放映されそうな作品。
説教臭いところはあるけれど嫌いではない。
親が子に与えるべきものは「どんな時代でも強く生きていける力」という考え方に共感。
読了日:10月01日
著者:
喜多川 泰パッとしない子 (Kindle Single)の
感想数時間前に話したことも忘れるような教師。
10年以上も前の記憶なんて都合よく変えてしまっている。
居た堪れないくらい詰められても簡単に嘘をつこうとする。
軽すぎる言動は死んでも直らないだろう。 後味の悪いショートストーリー。
読了日:10月01日
著者:
辻村 深月むらさきのスカートの女 (朝日文庫)の
感想結局、「黄色いカーディガンの女」に同情してしまった。
何かと読みが外れて裏切られるところは自分に似ている。
違うのは自分に似た友達を作ろうとするところ。
裏切られるくらいなら友達なんていらないのにね。
読了日:10月03日 著者:
今村 夏子グラスホッパー (角川文庫)の
感想適度なハラハラとドキドキ。
都合のよい偶然が自然に重なるから安心して読める。
軽妙な会話に名言や真実が散りばめられているのもいい。 再読したくなる作品。
読了日:10月05日
著者:
伊坂 幸太郎黒い家 (角川ホラー文庫)の
感想自分で災いを招き、事態を悪化させて犠牲者を増やしてしまう迷惑な奴。
人の命や財産に関わる職業の割に危機感がなく、軽率な行動に呆れてしまう。
必然的にハラハラドキドキさせられる場面も増える。
作者としてはそれが狙いなんだろう。 まんまと嵌められた気がする。
読了日:10月08日
著者:
貴志 祐介AX アックス (角川文庫)の
感想恐妻家の殺し屋。 ただの恐妻家ではない。
愛する妻がいつも笑顔でいてほしいから顔色を窺うのだ。
フェアであることにこだわる。 何よりも自分のため。
そして自ら犯した非道と決別するために。 ax
には突然何かを止める、断ち切るという動詞としての意味もある。
読了日:10月10日
著者:
伊坂 幸太郎夜市 (角川ホラー文庫)の
感想不思議な夢を見ているようだった。
もう少しそこにいてもいいかなと思うくらい怖くはなかった。
読了日:10月12日
著者:
恒川 光太郎マリアビートル (角川文庫)の
感想読み進むうちに映画のイメージは完全に消えた。
蜜柑と檸檬は日本人になり、ブラットピットは消えて本来の七尾に。
槿の役割がずっと気になっていたが、そういうことだったのか。
悪魔のような中学生にムカムカ。 でもレジェンドの登場でスッキリ!
読了日:10月16日
著者:
伊坂 幸太郎ジョーカー・ゲーム (角川文庫)の
感想旧日本陸軍に創設された諜報員養成学校「D機関」。
何も信じない、愛情や憎しみはとるに足らないものとして徹底的に叩き込まれる。
「スパイとは見えない存在だ」
「殺人、および自決は、スパイにとっては最悪の選択肢だ」
「とらわれることは、目の前にある状況を見誤る第一歩だ」
これらのセリフを軸に展開するスパイミステリー。
読了日:10月20日 著者:
柳 広司イーロン・マスクの生声 本人自らの発言だからこそ見える真実の
感想思ったよりも真っ当な考え方をしている。
言うことがコロコロ変わるので鵜呑みにはできないが・・・ 少しだけ見直した。
読了日:10月20日
著者:
天使の囀り (角川ホラー文庫)の
感想怖いというよりとにかくリアリティがあって気持ち悪かった。
晩ごはんを食べながら読んだけれど。
あれは二人で処理せずに警察も巻き込むべきだったと思う。
読了日:10月23日
著者:
貴志 祐介精鋭 (朝日文庫)の
感想純朴な新任警察官が特殊急襲部隊(SAT)に入隊するまでを描いた成長物語。
警察官も自衛官もあってはならないことのために厳しい訓練を積み重ねる。
我々の安全は彼らの弛まぬ努力の上に成り立っているのだ。
心より感謝の念を抱く。
読了日:10月26日 著者:
今野 敏ダブル・ジョーカー ジョーカー・ゲーム (角川文庫)の
感想「何物にもとらわれず、自分自身の目で世界を見ること」
それができるかどうかで物事の成否が決まる。 日本陸軍がその最たるもの。
硬直化した思考で失敗への道を突き進んだ。
読了日:10月29日 著者:
柳 広司パラダイス・ロスト ジョーカー・ゲーム (角川文庫)の
感想自分が殺人犯にされそうな状況でも一切動じない。
「死ぬな、殺すな」を守りながら、どんなピンチでもチャンスに変えられるという絶対的な自信。
そして人間としての優しさも忘れない。
小説の世界とはいえ、すごく憧れてしまう。
読了日:10月31日 著者:
柳 広司何者(新潮文庫)の
感想誰しも少なからず醜い部分を持って生きている。
拗らせる前に何とかしておこう。 上から目線で他人を批評している場合ではない。
それを指摘してくれる友人は貴重だ。 大切にしよう。
読了日:11月04日
著者:
朝井 リョウ和菓子のアン (光文社文庫)の
感想この作品の魅力は、アンとアンを取り巻く人々。
みんなキャラが立っていて善人ばかり。
彼らのドタバタを見ていると幸せな気分になれる。
和菓子に纏わる言葉遊びや散りばめられた謎解きも楽しい。
百貨店の裏側や隠語にも驚きがあった。
読了日:11月05日 著者:
坂木 司1984 (角川文庫)の
感想まさにディストピア。 絶対にこんな世界は嫌だ。
現実世界でも油断すれば特定の奴らに支配される危険はある。
過去や事実の捏造、痛みや苦しみ、緊張の持続で思考を停止させ自由を奪おうとする奴ら。
そんな奴らに出会ったら逃げるしかない。
この小説に近いことは中露朝などで起きている。
歴史を紐解けば日本の江戸時代も含めて枚挙にいとまがないだろう。
人間が集まれば支配する者と支配される者の関係ができる。
宗教団体、ブラック企業、学校、ママ友等。
支配しようとする奴らがいたら即刻そこから離れるべきだ。
読了日:11月11日
著者:
ジョージ・オーウェル,田内 志文無貌の神 (角川文庫)の
感想6篇からなる短編集。
ファンタジーのような「カイムルとラートリー」が一推し。
いずれもよかったが、敢えて順位をつけるとしたら、二位は「廃墟団地の風人」、三位は「死神と旅する女」、四位は「青天狗の欄」、五位は「無貌の神」、六位は「十二月の悪魔」だな。
読了日:11月12日
著者:
恒川 光太郎満月珈琲店の星詠み (文春文庫)の
感想満月の夜に現れる不思議なカフェ。 失意に沈んだ人たちをもてなす。
それには理由があった。
京都、カフェ、猫、占星術、スイーツ、恋バナ、まるでレディースランチのような、素敵な話だった。
満月バターのホットケーキが食べたい。
読了日:11月14日 著者:
望月 麻衣白昼夢の森の少女 (角川ホラー文庫)の
感想11篇からなる短編集。 いずれも独特の世界観。
やはりこの本のタイトルになった「白日夢の森の少女」が最もよかった。
「和菓子のアン」の坂木司のリクエストに応えて書いた「古入道きたりて」では、おはぎが本当においしそうだった。
読了日:11月18日
著者:
恒川 光太郎トッケイは七度鳴くの
感想元々自費出版だったらしい。
そんなことを全く感じさせない素晴らしい作品だった。
多くの参考文献を下地に練られた物語は真実がかなり含まれているように思えた。
不撓不屈の精神は奇跡を起こす。
読了日:11月21日 著者:
宮内見ヴンダーカンマーの
感想相関図が作りたくなるようなミステリー。 面倒なので作らなかったが...
他者を自分のシナリオ通りに操るサイコパス。
せっかくのギフトは欲望のためにしか使えなかった。
ギフトが他者のために使えないのは親からの愛情に飢えていたからなのか...
読了日:11月24日
著者:
星月渉異神千夜 (角川文庫)の
感想「鼬」「樹海」「憑依」に纏わる物語四篇。
四話目の「金色の獣、彼方に向かう」が好き。
ルークのような頭のよい生き物と旅をしてみたい。
読了日:11月25日 著者:
恒川 光太郎おいしい旅 初めて編 (角川文庫)の
感想全七話からなる短編集。
コロナ禍で旅行や飲食の自粛が求められた頃の作品たち。
読むだけで旅とグルメが楽しめた。 松村比呂美の「糸島の塩」が一推し。
読了日:11月29日
著者:
近藤 史恵,坂木 司,篠田 真由美,図子 慧,永嶋 恵美,松尾 由美,松村 比呂美椿山課長の七日間 (朝日文庫)の
感想予想通り泣かされた😭 浅田さん、うますぎるよ。 さて自分なら?
やはり心置きなく反省ボタンを押して極楽に行きたい。
そのためにも、自分に関わってくれた人たちに思いを馳せ、時間を割いてでも「ごめんなさい」と「ありがとう」を言っておこうと思う。
読了日:12月03日
著者:
浅田 次郎領怪神犯 (角川文庫)の
感想「人智を超えた人間の手に負えない超常現象又はそれを引き起こすものを、俺たちは”領怪神犯”と呼んでいる」
領怪神犯を調査するだけ。 解決することがないのですっきりしない。
手に負えない神よりも信念に凝り固まった人間の方が恐ろしいと思った。
読了日:12月06日
著者:
木古 おうみ永遠の途中 (光文社文庫)の
感想二人の女性のそれぞれの人生。 他人と比べなければいいのに。
もう一つの人生なんか考えなければいいのに。 期待しなければ裏切られないのに。
それをやってしまうのが人の常。
「何をどう生きようと、行き着くところは結局同じ」 読むだけで疲れた。
読了日:12月09日
著者:
唯川 恵月夜の島渡り (角川ホラー文庫)の
感想沖縄諸島を舞台にした不思議な物語七篇。
「クームン」「月夜の夢の、帰り道」が好きなタイプの話だった。
読了日:12月12日
著者:
恒川 光太郎天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊 (朝日文庫)の
感想刑事部のオートバイ部隊、TOKAGE。 車両の追跡や偵察を行うのが主な任務。
同時に発生した3件のバスジャックを追う。
メンバーの力量を信じて働きやすく采配するのが優れたリーダー。
必要以上に指示するリーダーはチームをダメにする。
読了日:12月15日
著者:
今野 敏コンビニ人間 (文春文庫)の
感想莊子の「渾沌七竅に死す」を思い出した。
渾沌は死んじゃったけど、彼女はコンビ人間の完全体として生まれ変わった。
これで「ふつう」に惑わされない無敵となった。 よかった、よかった。
読了日:12月17日
著者:
村田 沙耶香そして、バトンは渡された (文春文庫)の
感想血のつながらない親という名のランナーたち。
それぞれの愛が少女を幸福の未来へと繋いでいく。
悲しくて寂しくてたくさんの涙を流したけれど、強くて明るくなれたのは互いを思いやる心があったから。
幸せいっぱいの読後感。 目と鼻の大掃除ができた😭
読了日:12月22日 著者:
瀬尾 まいこ自転しながら公転する (新潮文庫)の
感想古い価値観や偏見は自他ともに苦しめる。
それがわかっていても捨て切れずに苦しんでしまう。
プロローグにどうつながるのかだけが知りたくて最後まで読んだ。
結局共感できずに本を閉じてしまった。
敢えて友達にするなら貫一とそよかくらいかな
読了日:12月30日 著者:
山本 文緒信仰の
感想8篇からなる短篇集(一つはエッセイかも) 「信仰」が好き。
村田さんの作品はいつも視点が新鮮で大切なことを思い出させてくれる。
読了日:12月31日
著者:
村田 沙耶香読書メーター