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※この記事は2019年7月8日の投稿を再編集したものです。
「生涯投資家」を読んで思ったこと
「生涯投資家」を読んだ。
著者は、ライブドア事件に絡んで証券取引法違反で逮捕され、世間からのイメージは相当に悪い。
単刀直入にものを言うせいか、とにかく誤解を受けやすく、妬まれやすい人のようだ。
本人が書いた本なので、言い訳や脚色もあるだろうが、書かれていることはほとんど事実であろう。
著者の投資は「資金を有効活用せず、過剰な内部留保をしている企業のコーポレートガバナンスを正常化させること」が目的のひとつになっている。
当時、コーポレートガバナンスへの理解はほとんどなかったが、それが現在のように浸透したのは著者によるものも大きいだろう。
この点だけでも十分尊敬に値する人だと思う。
※ただ、コロナ禍においてはこの内部留保によって助かっている企業も多い。内部留保はこのようなリスクに対して大きな力を発揮するといえる。
「投資」の崇高なる目的
投資は言うまでもなく、自身の資産を増やし、豊かな生活を送るために行う。
だが視点を広げると違った目的が見えてくる。
企業は第一に営利を目的としているが、その活動により人々の生活水準を高め、幸福の実現に寄与している。
企業への投資はその活動を支援することにほかならない。
また、投資で利益が出れば税金を払い、その税金が社会に還元され社会を豊かにする。
それを思うと税金が取られて利益が減ったとしても納得がいく。
もっと利益を出してもっと税金を払おうという気にもなる。
だから、投資こそ強力な社会貢献になり、社会をよくするための手段となりうると思うのである。
生涯投資家 (文春文庫)